母が毒親になった原因。家庭崩壊の頃の父はなぜ・・
父のサラダ
母が離婚するかも、と口にしてから、また時々、夜中に話し合いが行われるようになりました。
寝室までわずかに聞こえてくる声から判断するに、母と父2人で話をしている様子でした。
この頃、父はうめおにぎりの家には帰ってこないで実家で暮らしていたため、話し合いのある日は夜中に車でやってきていました。
うめおにぎりは、ストレスで発症したと思われる夜中の幻聴がまだ続いており、本当の話し合いをしている時と幻聴との区別がつきませんでした。
さらに、今度は庭の砂利を踏む音に敏感に反応する症状が出始めていました。
家がおかしくなってからというもの、何か怖いことが起こる時には、たいてい誰かの車が庭の砂利をふむ音がしていたためです。
夜中に父の車が砂利を音がすると体がビクッと硬直し、心臓がばくばくしました。
昼間のうちにも、砂利の音がすると体が咄嗟に反応して1階から2階に駆け上がって逃げてしまいます。ただの郵便屋さんの配達車だったりガス屋さんの車だったりしても、確認する前に砂利の音に反応して体が動きました。
ある時、うめおにぎりは変な夢を見ました。今でも忘れられないほど印象に残っている夢です。
夢の中では、私は自分の家にいたのですが、鬼がたくさん出てきて、父を捕まえて首を切り落としてしまいます。
うめおにぎりはその様子を押入れから隠れて見ているのですが、鬼がそれに気づいて、
「一緒に食べよう」
と言って、父の生首がどんと乗っかったサラダを差し出すのです。
そのあとすぐに目が覚めました。
どういう心理状態からあんな夢を見たのかよくわかりませんが、なにかしら父に向けた様々な感情が絡み合っていたのだと思います。
家の中がおかしくなった原因をつくったのは父だという思いを持っていたため、
もう父を好きとか嫌いとかの感情もなく、ただただいなくなって平和な日常を返してほしい、という気持ちしかありませんでした。
父に出くわす
ある日、風邪をひいて学校を休み、平日の昼間に家にいたことがありました。
熱も下がって気力が出てきたので、リビングでテレビを見ていると、
ガチャっと裏口の鍵が開いて、父が入ってきました。
「あれ、うめおにぎりちゃん」
ぎくっとして、うめおにぎりは何も言わずにリビングを去り2階の寝室に戻りました。
実は、ここ最近のゴタゴタが始まって以来、父と会っていませんでした。顔を見たのは数ヶ月ぶり。
久しぶりに会ってみて、怖いような不安なようなもやもやした気持ちでした。
父も、子供に合わせる顔がないと思っていたのかもしれません。
家に何の用事があったのかわかりませんが、誰もいない時間を狙ってきたのでしょう。まさか私がいるとは思わず、驚いた表情でした。
うめおにぎりは寝室でじっと息を潜め、父が早く帰りますように、と祈り続け、車が去っていく音を確認してホッとしたのでした。
父は直接子供に何かをしたわけではないので、顔を見ても口も聞かずに部屋を出て行ってしまったのはかわいそうなことをしたかな、と今は少し思います。
もともと私や弟のことはよく可愛がってくれ、一緒にゲームをやってくれたり休日はどこかに連れて行ってくれたり、優しい父でした。連帯保証人を引き受けたことも、優しさから知人の頼みを断れなかったためだったのかもしれません。
でも、当時のうめおにぎりには、父のことを気にかけてあげられるほど、心の余裕はありませんでした。
父、暴れる
またある時、昼間に父が話し合いにきたことがありました。
その時はうめおにぎりも、弟ちゃんも、母も家族みんながそろっていました。
リビングで全員がいる状態で、私と弟がテレビを見ている後ろで、両親が話し合っていたのですが、途中で父がキレて、母を押し、物に当たり始めました。
扇風機を蹴り倒し、私のゲームボーイを床に叩きつけました。
内心(私のゲームボーイ!!)と叫びましたが口には出せずに見ていました。
なかなか父の怒りは収まらず、今度は壁を蹴り飛ばした時、
うめおにぎりの中の何かがキレて、
「ウチ壊さないでよ!!!!!」
と絶叫しました。
さすがに娘にキレられてハッとしたのか、父は暴れるのをやめ、何も言わずに玄関を出て行き、そのまま車を出して帰ってきませんでした。
父が蹴った壁のところには穴が開いていました。
とりあえずゲームボーイを拾ってみると、画面は割れていないし電源は入るので安心しました。(呑気ですね)